【政治・社会 / 法令・制度】 文化三年十二月二十七日 (西暦 1807-02-04)
干支: 年[丙寅] 月[辛丑] 日[庚子]
月相: / 節気: 節分

幕府が盲人・非人等弱者への襲撃強盗事件多発に伴い、怪しい者の逮捕を厳命。市中に風刺落書が回る

十二月二十七日、幕府より火の用心の徹底とともに、近頃市中にて盲人・按摩・非人といった弱者を狙って刃物で傷つけ逃走する悪質な事件が頻発していることを受け、夜廻り警備を厳重にし、不審な者を躊躇なく捕縛して届け出るよう命じる厳重な御触が出されました。これに対し、町奉行(樽屋藤右衛門ら)の無策や厳しい施策を皮肉った狂歌「突々と樽屋大茂が思ひつく上はけちつく下はいきつく(樽屋(藤右衛門)が思いつきで出すお触れ(上)はケチがつき、それによって末端の民衆(下)は息が詰まる(行き詰まる))」や、将棋の駒・経文に見立てて社会の混迷や辻斬りを風刺した「金上る銀下る ひ下るやりをつく角なるつまる(将棋の指し手と経済・社会の動揺(金銀の相場変動や、槍で突く=辻斬り・襲撃事件の多発など)を言葉遊びで掛け合わせた見立て詩(将棋経))」といった坊間落書(風刺落書)が市中で流行しました。
【 史料原文・書き下し文 】
〔筠補〕十二月二十七日御触、火の用心云々、且近頃、盲人・按摩・非人の類へ疵付、逃去候者度々有之云々、追々申渡趣を以て、夜廻り厳重に致し心を付、少も疑敷類は、召捕可差出候(手前案文)。
 坊間落書
突々と樽屋大茂が思ひつく上はけちつく下はいきつく
 又将棊経に擬して
金上る銀下る ひ下るやりをつく角なるつまる(武江年表)
出典・参考文献: 武江年表